ユーティリティの打ち方を初心者向け解説|ボール位置や構え方やなど
この記事では初心者や初級者のアベレージゴルファーに向けて、ユーティリティ(ハイブリッド)クラブの打ち方を紹介します。
ロングアイアンに変わって、スタンダードになったユーティリティはとても使い勝手がよいクラブです。またロングアイアンよりもやさしく打てる性能や特長があるため、アベレージゴルファーはぜひ打ち方を覚えて、スコアアップを目指しましょう。
ユーティリティの構え方・打ち方の基本
ここではユーティリティ(ハイブリッド)クラブの構え方や打ち方のもっとも一般的な基本を紹介します。ユーティリティがうまく打てない人や苦手にしている人は、今の自分と比較して、改善点を見つけてみましょう。
- ユーティリティの構え方・ボールの位置
- ユーティリティの打ち方は7番アイアンをイメージ
ユーティリティの構え方・ボールの位置
目安として、スタンスの幅はアイアンより少し広め。ボール位置はアイアンより少し左足寄り
ユーティリティ(ハイブリッド)クラブだからといって、アドレス(構え方)がドライバーやアイアンと大きく変わるかというと、そうではありません。
スタンス幅やボール位置は持つ番手によって変化することもありますが、一般的にアドレスはどの番手でも同じです。
- スタンス幅は両足の間に自分の靴が3足収まる程度。
- 背筋を伸ばしてまっすぐに立ったら、足の付け根から上半身を前傾させて、クラブをソールする。
- アゴを引かないように注意する(下を向かない)。
- グリップは肩の真下で、左足太ももの内側の前にセットする。
- ボール位置はドライバーとアイアンの中間を目安にする(ドライバーは左足カカト線上、アイアンはスタンス中央、この位置の中間に置く)。
上記がもっとも一般的なアドレスの仕方です。ティーチングプロによっては、ボール位置をさらに細かく指導することもあります。そういったときは指導に倣いましょう。
ユーティリティの打ち方は7番アイアンをイメージ
ユーティリティ(ハイブリッド)クラブの打ち方ですが、7番アイアンの打ち方をイメージしたり参考にするのがよいという考え方があります。その方法でうまく打てるのであれば何も問題ありません。
ただ、ユーティリティは7番アイアンよりも2インチ程度レングスが長いため、7番アイアンのイメージだと、長さの違いによってうまく打てない人が多いようです。
- 基本に則ったアドレスを作る。ボール位置も同様。
- スイング中に頭や背骨(軸)などを動かさない意識を強く持つ。
- 腕や手だけでバックスイングせずに、体の回転と連動させる。
- ダウンスイングは必ず下半身からスタート。
- バックスイング同様、体の回転と腕の振りを連動させて振る意識を強く持つ。
- 左足一本で立つフィニッシュになるようにバランスに気をつけて振る。
ユーティリティに限らず、どのクラブも手や腕の動きだけでスイングするよりも、体の回転と連動させたほうがよい結果につながりやすいもの。ここを注意して打ちましょう。
ユーティリティの種類と打ち方のコツ
一般的にユーティリティ(ハイブリッド)クラブの種類にはウッド型とアイアン型があり、特性に違いがあります。そこでここでは種類による違いや打ち方のポイントなどを紹介します。
- ウッド型・アイアン型ユーティリティの違い
- ウッド型ユーティリティの打ち方
- アイアン型ユーティリティの打ち方
ウッド型・アイアン型ユーティリティの違い
ウッド型ユーティリティ
ウッド型ユーティリティ(ハイブリッド)クラブとアイアン型ユーティリティクラブの違いは、その名の通り、ヘッドの形がそもそも違います。形が違うということは、簡単にいうと特性が違うということで、ウッド型のほうがボールが高く上がりやすい傾向があります。
また一般的にウッド型のほうがヘッドが大きいため、ミスヒットしてもヘッドの挙動が乱れにくく、大きなミスになりにくいといわれます。アイアン型はウッド型に比べてヘッドを任意に動かしやすく、球筋を打ち分けやすいといわれます。
ウッド型ユーティリティはフェアウェイウッドが得意、もしくは好きなら、ウッド型ユーティリティのほうが使いやすいとか、イメージがつかみやすいなどといいます。アイアン型ユーティリティは、その逆になります。
ウッド型ユーティリティの打ち方
ウッド型だからといって、打ち方が変わるわけではありません。
- 基本に則ったアドレスを作る。
- スイング中に頭や背骨(軸)などを動かさない意識を強く持つ。
- 腕や手だけでバックスイングせずに、体の回転と連動させる。
- ダウンスイングは必ず下半身からスタートする。
- バックスイング同様、ダウンスイング以降も体の回転と腕の振りを連動させて振る意識を強く持つ。
- 左足一本で立つフィニッシュになるようにバランスに気をつけて振る。
ティーチングプロによっては“掃くように”と指導することもあるようです。掃くようにとはつまり、ヘッドを鋭角に下ろさず、緩やかな軌道でインパクトをする意識をもちましょうということです。
鋭角に下ろすとボールがつかまらなかったり、ダフったりすることが増えやすいため、緩やかに下ろす意識をもつことはとても大切です。
アイアン型ユーティリティの打ち方
アイアン型だからといって、打ち方が変わるわけではありません。
- 基本に則ったアドレスを作る。
- スイング中に頭や背骨(軸)などを動かさない意識を強く持つ。
- 腕や手だけでバックスイングせずに、体の回転と連動させる。
- ダウンスイングは必ず下半身からスタートする。
- バックスイング同様、ダウンスイング以降も体の回転と腕の振りを連動させて振る意識を強く持つ。
- 左足一本で立つフィニッシュになるようにバランスに気をつけて振る。
アイアン型はふつうのアイアンと同様に“ダウンブローでインパクトするように”と指導するティーチングプロもいます。
アイアン型はウッド型ほどソール幅が広くないため、掃くイメージで打つのはやや難しいと思います。そのため、ダウンブローを心がけるのはとてもよいことです。
ユーティリティの打ち方で初心者に多いミスや悩み
ここでは、ユーティリティの打ち方で初心者に多いミスや悩みと、それを解消できるようなポイントをご紹介します。ユーティリティの打ち方に苦手意識がある方は参考にしてみてください。
- ハンドファーストにアドレスした方がいい?
- ユーティリティがうまく当たらない
- ユーティリティでもっと飛距離を出したい
- 弾道がスライスになることが多い
- ユーティリティでいつもトップしてしまう
ハンドファーストにアドレスした方がいい?
ゴルフはティアップしないで打つ場合はすべてダウンブローが基本です。そのためにはハンドファーストにアドレスすることが求められます。
ユーティリティは“掃くように”と指導するティーチングプロのなかには、「ハンドファーストにアドレスしてはダメですよ」という人もいます。このアドレスでダウンブローに打てるなら、問題ありません。
ただ、初心者や初級者はそもそもダウンブローで打つことができないので、できるだけダウンブローの可能性が広がるハンドファーストのアドレスがよいと思います。
ユーティリティがうまく当たらない
ユーティリティがうまく当たらない…という初心者や初級者は、たいていスイング中に頭やスイング軸が動いています。人によっては下半身が左右に大きくズレたり、体が沈み込んだり、伸び上がったりしています。
ユーティリティに限ったことではありませんが、当たらないときには頭やスイング軸、そしてムダな体の動きを抑えるように強く意識しましょう。ミスショットの要因はさまざまですが、ムダな体の動きを抑えることが、よいスイングをするための前提です。
ユーティリティでもっと飛距離を出したい
ユーティリティで飛距離が出ないと悩んでいる人は、スイートスポット(芯)でボールをヒットできていないからでしょう。
スイートスポットで打てない要因はいくつかありますが、その最たるものは頭やスイング軸がブレることです。これらがブレるとスイングの軌道が不安定になったり、フェース面の向きが狂ったりするため、ジャストミートすることができなくなります。
そのため、頭やスイング軸をはじめとした、ムダな体の動きを抑えることを強く意識してスイングするように心がけましょう。
弾道がスライスになることが多い
ユーティリティで打つとスライスしてしまう…という人は、インサイド・アウトの軌道でスイングするように心がけましょう。
ボールがスライスする要因はたくさんありますが、初心者や初級者はスイングの軌道がアウトサイド・インになっていることが多く、この軌道だとスライス弾道になりやすいのです。
そのため、右へ曲がる弾道をできるだけストレートに近づけたいのなら、その可能性が広がるインサイド・アウト軌道のスイングを身につけるように練習しましょう。
ユーティリティでいつもトップしてしまう
ユーティリティで打つとトップすることが多い…という人は、アドレス時に作られた前傾角度を維持したスイングするように心がけましょう。
トップする要因はいくつもありますが、初心者や初級者はスイング中に前傾角度が崩れて、体が伸び上がってしまうことが多く、こうなるとヘッドがボールに届かなくなってトップしやすいのです。
そのため、きちんとミートしたいのなら、前傾角度を維持したままインパクトするように練習しましょう。これができると、トップのミスも減ると思われます。
ユーティリティの打ち方を上達するための練習方法
ここではユーティリティをうまく打つための練習方法を紹介します。きちんと当たらないと悩んでいる人や、真っすぐ飛ばないと悩んでいる人は、ぜひこの打ち方を試してみてください。きっと悩みが解決するはずですよ。
- 頭を動かさないで打つようにしよう
- 体の回転と腕の振りを連動させよう
- ハーフスイングでボールを打とう
頭を動かさないで打つようにしよう
ユーティリティはもちろんのこと、どのクラブでも、スイング中に頭が動いてしまうときちんとミートする可能性が低くなってしまいます。少し大袈裟な言い方ですが“スイング中は頭を1ミリも動かさない”といった意識をもつようにしましょう。
さらにスイング軸の目安となる背骨も、スイング中は“不動”にするように心がけましょう。
ゴルフはボールもフェース面も小さく、そのうえクラブが長いため、頭やスイング軸がブレたり、ズレたりすると、きちんと当たりません。
体の回転と腕の振りを連動させよう
一般的に「手打ち」は、あまり推奨できるスイングとはいえないようです。もちろん、手を主体にしたスイングでうまく打てる人もたくさんいます。それならば、それでOK。
ただ、初心者や初級者は体の回転と腕の振りを連動させて振ったほうが、よい結果に結びつくことが多いようです。その際、ウェートシフト(体重移動)を行なって、単なる「手打ち」にならないように気をつけると、さらによい方向へ進むことができるでしょう。
ユーティリティがうまく打てない人は、これらを意識して練習してみましょう。
ハーフスイングでボールを打とう
ユーティリティがきちんと当たらない…そんな悩みがある人は、ハーフスイングでボールを打つ練習を繰り返し行ってみましょう。
初心者や初級者は腕や手を使ってクラブを持ち上げてしまう傾向があり、そのせいでバックスイングがとても大きくなっている人がたくさんいます。大きくなりすぎると、いわゆるオーバースイングになって、きちんと当てることが難しくなります。
まずはきちんと当てることが大切なので、ハーフスイングでボールをたくさん打って、ジャストミートの感覚をつかむように心がけましょう。
ユーティリティ選びで注目したいフェースプログレッション(FP)値
フェースプログレッション値とは、シャフトの中心線からリーディングエッジまでの水平距離を表した数値です。
ウッド型ユーティリティのようにフェースプログレッション値が大きいと、フェースが飛球線方向に出っ張ります。そのためレベルブローで打ちやすく、芝の上のボールを拾いやすくボールが上がりやすくなります。
一方、フェースプログレッション値が小さいアイアン型ユーティリティは、ソールが薄くフェースはアイアンに似た形状をしています。重心は比較的高めで、ダウンブローでスピンの効いた強い弾道を打ちやすくなります。
それぞれの特徴を把握し、自分のスイングやゴルフプレーに合ったユーティリティを選びましょう。
ユーティリティの打ち方の基本・コツをおさらい
ユーティリティは、アイアンに比べてボールが上がりやすかったり、つかまりやすかったりします。さらに、クラブの特性として同じロフト角のアイアンよりも飛距離を稼げるため、打ち方のコツをつかむことができれば、初心者や初級者にとってはとてもやさしい番手といえます。
このことから、ユーティリティが打てるようになると、目標としている100切りに近づくことができるでしょう。
■解説者プロフィール
宮川岳也(みやかわ たけや)
USGTFティーチングプロ。埼玉県の練習場でレッスンを行っている。フリーランスのゴルフライターとしても活動している。
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